株主の皆様には、平素より格別のご⾼配を賜り、厚く御礼申し上げます。

株式会社GameWithは、2023年６月３日に創業10周年を迎えました。これもひとえに株主の皆様、全ての関係者の皆様の多大なるご支援あっての賜物であり、心より感謝申し上げます。

国内経済はウィズコロナの下で緩やかに持ち直しております。その一方で世界的な金融引締め等が続く中、海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっており、物価上昇や金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要がある等、依然として先行き不透明な状況が続いております。

このような状況のもと、2023年５月期におきましては、eスポーツや新規事業が急成長を遂げ、売上高の増加に大きく貢献いたしました。また、メディアを中心とした既存事業におきましては、利益率向上を目的としたコスト効率化プロジェクトを推進し、対象となる既存事業の利益率を改善することに成功いたしました。以上の結果、売上高は3,512百万円（前期比12.5％増）、営業利益は337百万円（同68.4％増）と、前年に引き続き増収増益を達成いたしました。

売上⾼（百万円）

営業利益（百万円）

経常利益（百万円）

親会社株主に帰属する当期純利益（百万円）

当社が創業の年にリリースしたゲーム情報メディア「GameWith」はモバイルゲーム市場の急成長とともに大きく成長してまいりました。一方ここ数年でコンテンツの多様化によるユーザー動向の変化や、家庭用ゲームおよびPCゲームへのユーザーの移行等により、モバイルゲーム市場の成長は以前と比較して鈍化しております。このような状況のもと、2023年５月期におきましては、家庭用ゲームの大型タイトルが数多く発売されたこと等により、PV数が伸びた結果、ネットワーク広告収入が増加いたしました。また、コスト効率化プロジェクトを実施することで利益率が改善し、メディアセグメントの営業利益は1,059百万円（前期比35.2％増）となり、当社グループ全体の増益達成に貢献いたしました。

今後は、利益率を維持することで、さらなる利益の源泉となる事業を目指すとともに、これまでのネットワーク広告依存からの脱却を図り、有料攻略記事によるタイアップ広告に注力することで、堅調な第２成長フェーズへと移行してまいります。また、ChatGPT等のAIの進化を活用した業務効率化とユーザー体験の向上を促進し、メディア事業のさらなる進化を目指してまいります。

eスポーツ・エンタメセグメントは、子会社である株式会社DetonatioNが運営するeスポーツチーム「DetonatioN FocusMe（以下、「DFM」という）」を中心としたeスポーツ事業に注力しており、売上高は870百万円（前期比42.2％増）と順調に成長しております。

2023年５月期におきましては、当社と株式会社DetonatioNがそれぞれ運営していたeスポーツチームのブランド統合や、VALORANT部門における、Riot Games, Inc.（米国）との長期的パートナーシップの締結、eスポーツ事業の海外進出の拠点となる韓国法人の設立など、当社グループのeスポーツ事業にとって飛躍の年となりました。

また、オリンピック正式種目の採用に向けて政府によるeスポーツ強化支援のニュースが話題になるなど、今後も国内の市場規模は拡大していくことが期待されており、世界におきましては、より大きな市場が存在しております。
このような状況のもと、DFMはすでに国内屈指のeスポーツチームとして高いポテンシャルを秘めている状況と考えており、世界水準の収益、評価を得るチームを目指し、今後も注力してまいります。

NFTゲームや回線事業等の新規事業を中心としたその他セグメントにおきましては、売上高が200百万円（前期比85.3％増）と急成長を遂げました。

2023年４月に３周年を迎えたNFTゲーム「EGGRYPTO」は、カジュアルなゲーム性を追求することで継続的に成長し、アプリの累計ダウンロード数は150万を突破、年間で過去最高の売上高を達成いたしました。また、eスポーツを楽しむユーザーが拡大している中、高速で低遅延のインターネット回線の需要を見込み、2022年３月より開始した光回線事業につきましては、着実に事業の基盤構築を進めており、順調にユーザー数を獲得しております。

このような状況のもと、NFTゲーム、光回線事業が軌道に乗り始めた今こそ成長のチャンスととらえ、中長期的な成長を目指し、プロモーションを強化することでユーザー獲得に注力してまいります。これにより、短期的な利益の悪化が見込まれますが、中長期的な利益最大化のために必要な先行投資と位置付けております。